毎週土曜日に、1週間分の献立と買い物リストが届く。
毎朝には、その日の食事と簡単な手順が届く。
この仕組みを作ってから、約4か月が経ちました。
献立を作るとき、AIには家族3人の体格や食事の目標、好み、生活パターンなど、いくつもの条件を確認してもらっています。
けれど私は、その条件を毎回チャットで説明しているわけではありません。
AIの記憶は便利です。普段の会話では、以前に伝えたことを踏まえて話せる場面も増えました。
それでも、決まった時間に同じ基準で動いてほしい仕組みには、記憶だけに頼らない形が必要でした。
そこで置いたのが、
「迷ったら、ここを見る」という一つの原本
です。
AIが忘れるからではありません。
毎回必ず、同じ条件から始められるようにするためです。
01 覚えていることと、同じ条件で動けることは別
普段のチャットなら、AIとの会話を重ねながら条件を足していけます。
「息子はこの魚が苦手です」
「夫のお弁当は、このくらいの量にしてください」
「私は体重を落としたくありません」
と伝えれば、その後の提案にも反映できます。
一方、私が作りたかったのは、必要なときに自分から質問する使い方だけではありませんでした。
土曜日になったら、1週間分の献立を作る。
朝になったら、その日の食事を整理する。
決まった時間に始まる作業では、その都度、過去の会話を探して条件を推測してもらうよりも、
最初に確認する場所を一つ決めておく
方が安定します。
人間にも毎週、家族の条件を思い出させない。
AIにも毎回、わが家の条件を推測させない。
そのために、献立を作るときの基準を、一つのファイルにまとめました。
02 原本は、普通のテキストファイル1本
私が使っているのは、Claude Codeです。デスクトップ版です。パソコンの中のファイルを読めます。
原本として置いているのは、config.mdというMarkdown形式のファイルです。
名前だけを見ると少し難しそうですが、特別なものではありません。
Markdownは、見出しや箇条書きを使って内容を整理できる、シンプルなテキストファイルです。
このファイルを、わが家の条件を確認するときの原本にしています。
原本とは、
複数の情報が食い違ったときに、基準として確認する一つの元データ
のことです。
中には、次のような項目をまとめています。
- 家族構成と生活パターン
- 体格や食事の目標
- 健康面で配慮すること
- 好きなもの、苦手なもの
- 平日のお弁当や昼食の有無
- 献立を組むときの基本ルール
- 家族ごとの量や味付けの考え方
健康に関する数値や食事上の条件も含まれていますが、AIに診断や治療判断を任せるためではありません。
健康に関わる判断では、医師から受けている指示を優先します。
AIに任せるのは、その条件を毎回照合し、献立候補へ反映するところまでです。
条件を整理するのはAI。最後に確認し、決めるのは人。
この分担は、献立を自動で届けるようになってからも変わっていません。
全部を、ここに書いているわけではありません
原本を作ると、大事なことを全部そこへ入れたくなります。
けれど私は、入れるものを絞りました。
AIの記憶は、以前の会話を踏まえてくれるもの。
指定したファイルは、毎回確認してもらうもの。
だから、外してはいけない条件だけを、確実な側に置いています。
夫の食事の制限は、思い出してもらっては困ります。ここは原本に入れます。
一方、少しあやふやでも生活が壊れないものは、入れていません。
書くかどうかを決めているのは、大切さの順番ではありません。外れたときに困るかどうかです。
(家族の条件を最初に整理したときのことは、献立の記事に書きました)
03 記録するものを、先に選ぶ
変わる情報は、原本とは別のメモへ分けています。
仕組みを正確にしようとすると、家にあるものをすべて記録したくなります。
でも私は、そこまではしていません。
在庫のリストには、65品が載っています。ただし、全体を確認したのは4月が最後です。
最初に調味料を登録するときも、一つずつ入力したわけではありません。棚の写真を撮って送り、AIに読み取ってリストにしてもらいました。
それ以降にリストへ手を入れたのは、1回だけ。買い足したものを足したのではなく、賞味期限が切れていた柚子胡椒を、1件消しただけでした。
それでも困らないのは、載せるものを選んでいるからです。
載っているのは、米や乾麺、缶詰、乾物、調味料、スパイス。減るのが遅いものだけです。
野菜も肉も魚も、ひとつも登録していません。
冷蔵庫を開ければ分かるものを、書き写す必要はありません。
反対に、「粒マスタード、買ったっけ」は、棚を開けても思い出せません。
記録するかどうかを決めているのは、大切さではありませんでした。
長く正しいままで、見ても思い出せないもの。
その二つが重なるところだけです。
だから、一度確認した65品が、4か月ぶん効いています。
リストが古くなったら、どうなるのか
実際に起きました。
賞味期限が切れていた柚子胡椒が、その日のレシピに出てきたのです。
私は「もう無い」と伝えました。それでリストが直りました。
棚を数え直して気づいたわけではありません。料理をしようとしたときに気づきました。
記録が古くなったことは、使う場面で分かります。しかも、分かったときの影響は、その日の一品を変える程度です。
間違えたときの影響が小さいものは、頻繁に全件を点検しなくても回せる。
管理にかける手間と、間違えたときの影響を釣り合わせる。
柚子胡椒の一件で、そう分かりました。だから私は、定期的な棚卸しをしていません。
04 毎回の作業は、「原本を読む」ことから始める
私の仕組みでは、献立を作る定期タスクの最初に、
家族の健康プロフィールと献立ルールをまとめたファイルを、最初に読み込んでください。
という指示を入れています。
※実際の指示から、ファイルの場所などを省いています。
そのあとで、その週の献立や買い物リストを作ります。
流れを簡単にすると、次のようになります。
土曜日には、1週間分の献立と買い物リスト。
毎朝には、その日の天気や食事、簡単な手順などが届きます。
私の仕組みは、ローカルファイルを使っています
私の仕組みでは、家族の条件をまとめた原本を、パソコン内に置いています。そのため、この仕組みはパソコン側で動きます。
この仕組みのために、自分で管理する中継用のサーバーは用意していません。
決まった時間に動く機能と、LINEへ送る仕組みを、直接つないでいます。
ただし、最初から問題がなかったわけではありません。
使い始めた頃には、アプリを閉じていると、予定時刻に配信が届かないことがありました。
私の環境では、次にアプリを開いたときに届きました。
ただ、「朝に届く」ことが目的なので、それでは遅すぎます。
そこで、アプリを開いた状態にしておくようにしました。それ以降、配信は安定しています。
※定期タスクの仕様は変わることがあります。これから作る方は、公式の案内で最新の内容を確認してください。
私は今のところ、家族の原本を自分のパソコン内に置き、自分で管理するものを増やさない形を選んでいます。
便利さだけでなく、何を自分の手元に置くかも、仕組みの一部です。
私が直したのは、AIへの指示ではありませんでした。その手前の、動き続けられる状態でした。
もうひとつの備え
その週の献立が用意できていない場合は、原本のルールから組み直すようにしました。
読むはずのものが無くても、止まらないようにするためです。
一度作れば永久に完璧に動く、ということはありません。
最初に少し整えて、その後は考えなくて済む状態へ近づけていく。その方が、実際の暮らしには合っていると思います。
05 AIに何をさせないかも、先に決める
自動化というと、できるだけ多くの作業をAIへ任せることのように見えます。
でも私は、すべてを自動で決めたいわけではありません。
AIに任せているのは、
- 家族の条件を照合する
- 献立の候補を組み立てる
- 必要な食材をまとめる
- 繰り返し使う形に整える
- 決めた時間に情報を届ける
という部分です。
一方で、
- その日の体調を見て献立を変える
- 医療や健康に関わる最終判断をする
- 家にある食材をどう使い切るか決める
- 実際に何を買うか確定する
- 家族の様子を見て量や味を調整する
ことは、人に残しています。
いただき物があれば、自分で一品加える。
家にある食材を先に使いたければ、その日の献立を入れ替える。
AIが作った予定を守ることよりも、目の前の暮らしに合わせることを優先します。
AIに何をさせるかだけでなく、何をさせないかも設計する。
この境界があるから、仕組みを使いながらも、生活を丸投げしている感覚はありません。
記憶より、基準に戻れる場所をつくる
AIの記憶を使わないわけではありません。
会話の中で、以前に伝えたことを覚えていてくれるのは便利です。
けれど、毎週、毎朝、同じ条件で動いてほしい仕組みには、
記憶に加えて、いつでも戻れる基準
がある方が安心です。
家族の条件が複数の会話やメモに散らばっているのではなく、
迷ったら、ここを見る。
変更があれば、ここへ戻す。
その一つを決めておく。
そして、すべての変化を記録しようとしない。
次の答えを変える、大切な条件だけを更新する。
原本を最後に書き換えたのは、3か月半前です。体重の目標を「増やす」から「維持」に変えたときでした。それ以来、触っていません。
ちなみに私は、そのファイルを開いて自分で書き換えたことがありません。チャットで変更を伝えると、原本にも反映されます。
原本は、私が毎回読みに行くための場所ではありません。AIが毎回、そこから始めるための場所です。
私が毎週、家族の条件を考え直さない。
AIにも毎回、わが家の条件を推測させない。
人にもAIにも、毎回ゼロから始めさせないことが、私にとっての仕組み化でした。
一度整えて、次から考えなくていい場所を増やす。
その考え方を、仕組みの裏側にも置いています。
